大学入学前の夏休み支出に見る若者の消費トレンド
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【9月16日 東方新報】北京市の天安門広場(Tiananmen Square)は夏の観光客で賑わっている。猛暑でも旅行熱は衰えず、広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)から訪れた何奕霏(He Yifei)さんは「高校時代から北京に憧れていて、祖父母も行きたいと言っていたので、大学が始まる前に家族でゆっくり楽しもうと来ました」と話しながら写真を撮っていた。
大学入学を控えた若者たちは、新生活への期待を胸に、この夏さまざまな計画を立てている。旅行でリフレッシュしたり、大学生活のための電子機器を購入したり、スキルを磨くための講習を受けたりと、必需品から自己成長まで幅広い支出が「夏休みの支出リスト」を埋めている。こうした動きは若年層の消費の高度化を映し出している。
この夏、旅行は感情消費の代表として急成長し、青春の記念や気分転換の手段として人気だ。特に個性や特別感を重視したじっくり楽しむ体験型旅行が支持されている。旅行予約サイト「携程(Trip.com)」によると、高校卒業後から志望校出願までの期間、国内観光地の入場券予約は前年比137%増。「去哪児(Qunar)」のデータでは、2000年以降生まれの世代は「没入型体験」を求め、1週間以上滞在する長期型宿泊施設の予約が前年比3割以上増えた。
観光地もこの層を狙い、高校卒業証明(受験票)提示で入場料を割引・無料にするキャンペーンを実施。手頃な価格で各地を満喫できる機会が、旅行熱をさらに後押ししている。
また、新生活準備としての「アイテムそろえ」も盛んだ。北京市の家電売り場では、多くの入学予定者が保護者と共に電子製品を選んでいた。ある店舗では「国の補助と学生割引が併用でき、値引き幅が大きいので来店者が急増し、入学予定者が主要な顧客層になっています」とスタッフが語った。
スマートフォンを購入した小趙(Xiao Zhao)さんは「写真がきれいに撮れて、ゲームが快適に遊べることが重要。デザイン性は当然で、性能が最優先です」と話す。北京工商大学(Beijing Technology and Business University)の洪涛(Hong Tao)教授は「国産高級モデルが人気。若者は外観や個性を重視し、それに合わせてメーカーは差別化された商品やサービスを開発している。買い替え促進策や割引を組み合わせ、生産と消費が相互に活性化している」と分析する。
さらに、長い夏休みを活かしてスキルを磨く動きも目立つ。北京のある自動車学校では高校卒業生の申し込みが殺到。団体割引で費用が安くなるためだ。山東省(Shandong)の東営市(Dongying)の孫翔宇(Sun Xiangyu)さんは「友達と一緒なので練習も楽しい。空き時間で免許を取れば将来の役に立つ」と話す。
自動車学校以外でも、ジム、プール、芸術教室などが卒業生向けの割引を用意し、人気を集めている。古筝を習い始めた王凌雲(Wang Lingyun)さんは「長い休みを無駄にしたくなくて挑戦しました。卒業生向けの特別料金が魅力でした」と語る。
洪教授は「高校時代は勉強中心だったため、高考(大学入試)後の夏休みには抑えられていた消費欲が一気に高まる。事業者はこの層のニーズに合わせた供給を工夫し、より良い体験を提供することで消費構造の高度化を促せる」と指摘している。(c)東方新報/AFPBB News