イスラエル、緊急人道支援を提供へ ガザではなく南スーダンに
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【8月19日 AFP】イスラエルのギドン・サール外相は18日、世界で最も貧しい国の一つで、内戦と政情不安が続く南スーダンに対し、緊急人道支援を提供すると発表した。
イスラエルはパレスチナ自治区ガザ地区の住民の移住について南スーダンと協議を行ったと報じられているが、南スーダンはこれを断固として否定している。
ガザにおけるイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘は1年11か月目を迎え、ガザ住民200万人以上にとって深刻な人道危機を引き起こしている。
イスラエル外務省は声明で、「南スーダンにおける深刻な人道危機に鑑み、同国の脆弱(ぜいじゃく)な立場にある人々に対し、緊急人道支援を提供する」と述べた。
さらに、「南スーダンは現在、コレラの流行に見舞われ、深刻な資源不足に直面している」と付け加え、支援には、患者の治療に必要な医療用品、浄水器、手袋、マスクに加え、コレラ予防のための特別な衛生キットと食料パッケージが含まれると述べた。
イスラエルのシャレン・ハスケル外務副大臣は先週、南スーダンの首都ジュバを公式訪問した。
国連の支援を受けた専門家らは、ガザでは略奪などを理由にイスラエルが人道支援物資の受け入れを大幅に削減したため、大規模な飢饉(ききん)が迫っていると警告している。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは18日、イスラエルがガザで「意図的な飢餓政策」を実施していると指摘し、「パレスチナ人の生活における健康、幸福、社会構造を組織的に破壊している」と報告した。
イスラエルは、意図的な飢餓政策を実施しているとの主張を否定している。
イスラエルの公式発表に基づくAFPの集計によれば、2023年10月7日のハマスによる前例のない越境攻撃で、民間人を中心に1219人が死亡した。
一方、ハマスが実効支配するガザの保健当局によると、イスラエルの攻撃でこれまでに6万2004人以上が死亡。こちらも大多数は民間人だった。国連は、信頼できる統計としている。(c)AFP