イスラエル、豪外交官のビザ取り消し パレスチナ国家承認などに対抗
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【8月19日 AFP】イスラエルのギドン・サール外相は18日、オーストラリアのパレスチナ代表部外交官のビザを取り消すと発表した。オーストラリアがパレスチナを国家承認する方針を示したことや、極右議員の入国ビザを取り消されたことなどへの対抗措置だという。
サール氏はX(旧ツイッター)に、「オーストラリアのパレスチナ代表部代表団外交官のビザを取り消すことを決定した」と投稿し、駐イスラエル・オーストラリア大使に「この件について通知したところだ」と付け加えた。
また、「在豪イスラエル大使館に対し、オーストラリアからのイスラエル入国ビザ申請を念入りに審査するよう指示した」とも述べた。
さらに、「これは、オーストラリアが『パレスチナ国家』を承認すると決定し、複数のイスラエル要人へのビザ発給を不当に拒否したことへの対抗措置だ」と説明した。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相率いる与党連合の一員でもあるイスラエルの極右政治家、シムチャ・ロスマン氏は、オーストラリア・ユダヤ人協会主催のイベントで講演する予定だった。
だが、オーストラリアは18日、ロスマン氏のビザを取り消した。
トニー・バーク内相は、オーストラリアは「分断を広げる」ために入国する者を受け入れないと説明した。
オーストラリア・ユダヤ人協会などは、ロスマン氏のビザ取り消しを「悪質な反ユダヤ主義だ」と非難した。
サール氏はXで、「オーストラリアではユダヤ人やユダヤ人団体に対する暴力を伴う示威行動など、反ユダヤ主義が猛威を振るっているが、オーストラリア政府は虚偽の非難によってそれをあおっている」と主張した。
オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は先週、9月の国連総会でパレスチナを国家承認すると発表した。
紛争で荒廃したパレスチナ自治区ガザ地区の深刻な人道状況を受け、英国、カナダ、フランスも最近、パレスチナを国家承認する方針を示している。イスラム組織ハマスが2023年10月にイスラエル南部を攻撃したことをきっかけとする紛争が続く中、他の欧州諸国も昨年、同様の措置を取った。(c)AFP