【8月18日 AFP】南米ボリビアで17日、大統領選挙の第1回投票が行われ、中道右派キリスト教民主党候補のロドリゴ・パス上院議員と右派自由連合候補のホルヘ・キロガ元大統領が決選投票に進むことが決まった。これにより、20年間続いた左派政権が終わりを迎えることになる。

選挙管理委員会によると、投票率92%時点でパス候補は32.15%の得票率でトップに立った。キロガ候補は26.87%で2位だった。今回の選挙では、深刻な経済危機への対応が最大の争点となった。

一方、トップ予想されていた億万長者の実業家サムエル・ドリアメディナ候補は19.86%で3位に後退。主要な左派候補であるアンドロニコ・ロドリゲス上院議長は4位に終わった。

決選投票に進めなかったドリアメディナ氏は、直ちにパス氏支持を表明した。

パス氏はハイメ・パス・サモラ元大統領の息子で、統合を掲げる候補として選挙戦を展開。今回の結果について「変化を求める国民の意思の表れだ」と述べた。

キロガ氏は当選すれば、ボリビアの大規模国家経済モデルの改革を進める意向を示しており、結果を「民主主義と自由の勝利」と歓迎した。

この投票結果により、2005年に先住民出身のエボ・モラレス氏が急進的な反資本主義を掲げて大統領に選出されて以来、20年間続いた社会主義政権に幕が下ろされることとなった。

モラレス政権下の2006~2019年には、10年以上にわたり経済成長が続き、先住民の社会的地位も向上した。しかし、天然ガスという国の主要収入源への投資不足により収益が減少し、外貨準備の減少や燃料・生活必需品の輸入不足など、経済的苦境に直面した。(c)AFP