【8月12日 AFP】南米チリのパタゴニア地域にかつて生息していた小さなネズミほどの大きさの哺乳類の化石が発見された。研究論文が今月、英国の科学雑誌「Proceedings of the Royal Society B」に掲載された。

新たに発見されたのは、約7400万年前の後期白亜紀に生息していた、体重30~40グラムの「イェウテリウム・プレッソル」。

チリ南部パタゴニア地域でこれまでに発見された中で最も小さな哺乳類で、化石はかつてゴンドワナ大陸の一部であった時代にさかのぼる。

化石は「小さな顎の一部と臼歯(きゅうし)、そして他の2つの臼歯の冠と根から成る」と、チリ大学と同国のミレニアム・ニュークレウス研究センターの初期哺乳類研究チームを率いたハンス・プシェル氏は述べた。

研究者らは、サンティアゴから約3000キロ南に位置するマガジャネス地域ラス・チナス渓谷のリオ・デ・ラス・チナスでこの化石を発見した。

小さな齧歯類(げっしるい)に似ているが、イェウテリウム・プレッソルはカモノハシのように卵を産むか、カンガルーやオポッサムのように袋で子を育てる哺乳類だったと考えられている。また、その歯の形状から、比較的硬い植物性の食物を食べていた可能性が高いことが示唆されている。

共存していた恐竜と同様に、この小さな哺乳類は約6600万年前の白亜紀末に突然絶滅したと考えられるという。(c)AFP