【8月12日 AFP】イスラエルの極右勢力は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し、イスラム組織ハマスにもっと強硬姿勢を取るよう圧力をかけた。

パレスチナ自治区ガザ地区での紛争勃発(ぼっぱつ)から1年10か月以上が経過した今、イスラエルは紛争終結と人質解放を求める勢力と、ハマスの壊滅を求める勢力に割れている。

ネタニヤフ氏率いる治安内閣が8日、軍事作戦の拡大とガザ市制圧の計画を発表したことで、この論争はさらに激化した。

9日夜、テルアビブでは数千人が治安内閣の閣議決定に抗議するため街頭に繰り出す一方、極右のベツァレル・スモトリッチ財務相は、ネタニヤフ氏の決定は生ぬるいと非難する動画をインターネットに投稿した。

スモトリッチ氏は、「首相と内閣は弱さに屈した。感情が理性を上回り、またしても同じことの繰り返しを選んだ。決定的な勝利ではなく、ハマスに限定的な圧力をかけ、部分的な人質合意を成立させることを目的とした軍事作戦を開始したのだ」「彼らは再び同じアプローチを繰り返すことを決意し、決定的な解決を目指さない軍事作戦に着手した」と述べた。

スモトリッチ氏を含むネタニヤフ内閣の極右メンバーはガザ紛争の間、政権内で一貫して大きな影響力を保持している。極右の支持は国会(クネセト、120議席)で過半数となる少なくとも61議席を維持するために不可欠と見られているためだ。

極右のイタマル・ベングビール国家治安相も10日、公共放送KANに対し、「勝利は可能だ。私はガザ全域の制圧し、領有権を手に入れて入植することを望んでいる。この計画は軍を危険にさらすものではない」と述べた。(c)AFP