【8月12日 AFP】イタリアのグイード・クロセット国防相は11日に公開されたインタビューで、イスラエル政府はパレスチナ自治区ガザ地区をめぐる問題で「理性と人間性を失った」と述べ、制裁に前向きな姿勢を示した。

クロセット氏は日刊紙スタンパに対し、「今起きていることは容認できない。われわれが直面しているのは巻き添え被害(コラテラルダメージ)を伴う軍事作戦ではなく、法と人類文明の根底にある価値観の純粋な否定だ」「われわれは人道支援に尽力しているが、今こそ(イスラエル首相のベンヤミン・)ネタニヤフ氏に対する非難を超えて、冷静に考えさせる方法を見つけなければならない」と述べた。

イスラエルに対する国際制裁の可能性について問われると、クロセット氏は「ガザ占領とヨルダン川西岸におけるいくつかの重大な行為は質的な飛躍であり、ネタニヤフ氏に考えさせるような決断を下さなければならない」と回答。

「そしてそれはイスラエルに対する動きではなく、理性と人間性を失った政府から人々を救う手段となるだろう」「われわれは常に政府と国家、国民、そして彼らが信仰する宗教を区別しなければならない。これはネタニヤフ氏にも、(ロシア大統領のウラジーミル・)プーチン氏にも当てはまる。彼らの手法は今や危険なほど似通っている」と続けた。

ネタニヤフ氏はガザ地区の中心都市ガザ市を制圧し、残るイスラム組織ハマスの拠点を標的とする計画を正当化したが、この計画は世界中から批判を浴びている。

イタリアは、他の国々に倣ってパレスチナを国家承認すると表明することを拒否している。クロセット氏はこの件について、「存在しない国家を承認することは、単なる政治的挑発に終わる恐れがある」と正当化した。(c)AFP