■有罪率99%を支える自白

警察による自白の強要で世間の注目を浴びたのが、かつて「世界で最も長く死刑囚として収監」されていた袴田巌氏(89)である。1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田氏のやり直しの裁判で、静岡地裁は昨年、無罪判決を言い渡した。裁判所は、袴田氏が自白した調書は「捜査機関の連携により、肉体的・精神的苦痛を与えて供述を強制する非人道的な取り調べによって獲得され、虚偽の内容を含む」と断じた。 

「それが有罪率99%を支えているわけじゃないですか。 そういう裁判の有罪判決を信頼しますか」と高野弁護士は語気を強めた 。

■それでも自白しない

天野被告は今も、むき出しの便器のある独房で、時間や時候の感覚をほとんど持たずに過ごしている。就寝後も明かりはついたままで、寝具で顔を覆うことも許されていない。それでも、自白をするつもりはないという。

「今ここで負けて諦めてしまうと、今まで支援してくれた人の顔も潰すことになる」と天野被告は語り、「その人たちを裏切る選択は考えられない」と付け加えた。(c)AFP/Tomohiro OSAKI