カンボジア首相、トランプ氏をノーベル平和賞に推薦「世界平和推進に歴史的な貢献」
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【8月8日 AFP】カンボジアのフン・マネット首相は7日、ドナルド・トランプ氏米大統領をノーベル平和賞に推薦したと発表した。理由として、タイとの国境紛争を終結させた「先見性と革新性に富んだ外交」を挙げた。
カンボジアとタイは先月、領有権を争う国境地帯で軍事衝突し、5日間にわたる戦闘で少なくとも43人が死亡した。
トランプ大統領からの電話、東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国を務めるマレーシアのアンワル・イブラヒム首相と中国の交渉団による仲介を経て先週、停戦が発効した。
フン・マネット首相はノーベル平和賞の受賞者を選考するノルウェー・ノーベル委員会に宛てた書簡で、「世界平和の推進における歴史的な貢献をたたえ」、トランプ氏を推薦したいと表明。
「先見性と革新性に富んだ外交を通じて紛争を解決し、破滅的な戦争を防ぐというトランプ大統領の類いまれな政治手腕は、最も直近ではカンボジアとタイの間の即時かつ無条件の停戦を仲介する上で決定的な役割を果たしたことで実証された」「壊滅的な紛争を回避したこの時宜を得た介入は、多くの人命が失われるのを防ぎ、平和を回復する道を開く上で極めて重要だった」と続けた。
ノルウェー・ノーベル委員会は、候補者を公表していない。候補者の推薦期間は1月31日までで、受賞者は例年、10月ごろに発表される。
各国の国会議員や閣僚、一部の大学教授、過去の受賞者、過去・現在のノーベル委員会委員ら数万人が候補者を推薦することができる。
この権威ある賞に言及することは、世界平和の仲介者として交渉力の高さを誇示しているトランプ氏に対する、一部の外国首脳からの親善のしるしとなっている。
トランプ氏はすでに、パキスタン政府とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相からノーベル平和賞に推薦されている。
カンボジアとタイはいずれもトランプ氏が紛争に介入した当時、米国との相互関税交渉で36%という税率を提示されていた。だが先週、それを回避し、税率を19%にすることで合意したと発表した。(c)AFP