中国のデリバリー大手、過度な値引き競争を自粛へ
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【8月31日 東方新報】中国の大手フードデリバリープラットフォーム、美団(Meituan)、餓了麼(Ele.me)、京東(JD.com)は1日、過度な割引競争を自粛する方針を相次いで発表し、割引キャンペーンの運用を見直すと表明した。
今年に入り、各社が自社負担で行う大規模な割引キャンペーンが激化し、「値引き合戦」として社会的関心を集めていた。中国当局はこれまでに2度、複数のプラットフォーム企業を呼び出して、公正で秩序ある競争を求めている。
直近では7月18日、市場監督当局が餓了麼、美団、京東の3社を呼び出し、割引キャンペーンの適正化と理性的な競争参加を指導。飲食デリバリー業界の健全な発展に向け、無理な値引きや不当な販売手法を控えるよう求めた。
美団は1日、「不当な競争を排し、公正で秩序ある市場環境を整える」と発表。割引キャンペーンは関連法規に基づき運営し、原価を大幅に下回る価格設定や、加盟店への強制参加は行わないとしている。
京東も「過度な値引きや『0元購入』などの行き過ぎたキャンペーンは行わない」と表明し、単なる受注数の水増しや市場バブルの助長を避ける方針を示した。マーケティング情報は法令に沿って開示し、加盟店は自由に参加を選べる仕組みとする。
餓了麼は、消費者と加盟店双方の利益を尊重し、無理のない補助にとどめると表明。特に大規模な「0元購入」型キャンペーンは行わず、加盟店の利益確保と利用者のサービス体験向上を重視するとした。
中国インターネット情報センターによると、2024年末時点で中国のオンライン外売利用者は5億4500万人に達し、ネット利用者全体の約半数を占める。アイリサーチの統計では、中国の飲食デリバリー市場規模は2015年の1250億元(約2兆5541億円)から2024年には1.5兆元(約30兆6493億円)へ拡大。業界の成長を背景に、デリバリー市場における公正な競争環境の整備が急務となっている。(c)東方新報/AFPBB News