【8月9日 CNS】中国共産党中央政治局は7月30日、全国統一市場の構築を一層進め、市場競争の秩序を継続的に改善する方針を打ち出した。企業による無秩序な競争は法と規則に基づき是正し、同時に消費拡大の特別行動を本格的に進め、商品消費を広げるとともにサービス消費の新たな成長分野を育てることが掲げられた。

いわゆる「内巻き(過度な内部競争)」と呼ばれる競争は、低価格で非効率かつ無秩序な争いを指し、産業の健全で持続的な発展や高品質化を妨げる要因となってきた。これを解消するには、公平な競争環境の整備が不可欠であり、その中心となるのが全国統一市場の建設である。統一市場の整備によって、地方の保護主義や市場の壁が取り払われ、商品や生産要素が全国規模で円滑に流通できるようになる。資源の配分が最適化されることで、市場を通じた淘汰の仕組みが働き、効率の低い生産能力は退出し、優良な生産はより発展しやすくなる。これによって優れた企業が正しく評価される競争環境が整い、内巻き型競争の解消につながる。

過剰競争を抑えるには、まず供給過多に陥った業界の需給関係を調整し、新たな過剰生産能力を厳しく制限すると同時に、既存設備の最適化を進めることが求められる。さらに、地方政府と企業の双方に対して行動の規範化が必要となる。地方政府は誤った政績重視から、不公正な企業誘致や補助を行い、特定業界の過剰拡大を招くことがあるため、その行動を透明で公正なものに改めなければならない。企業もまた、供給過剰の中で市場シェアを守るために、価格競争や誇大宣伝、営業秘密の侵害といった不正に陥りやすい。企業行動は会社法と公平競争の原則に沿うよう規律が徹底されるべきであり、政府は実効性ある市場監督を強化するとともに、業界団体による自主規制を活用して、合法かつ適正な市場運営を確保することが重要である。

同時に、中国経済の持続的な成長には安定した消費拡大が不可欠である。消費を押し上げるには、人びとの生活実態や制約に合わせた施策が必要だ。中低所得層にとっては所得が最大の制約であり、実効的な収入増加によって初めて消費力が向上する。一方、中高所得層にとっては時間が鍵となるため、有給休暇の徹底や休暇制度の最適化によって余暇を増やし、消費の機会を広げることが求められる。消費意欲があっても適切な商品がなければ行動にはつながらないため、供給側での産業高度化を進め、質の高い製品を提供して購買意欲を引き出す必要がある。また、旅行や舞台鑑賞、スポーツ観戦といった体験型消費は場が整ってこそ拡大するため、質の高い消費環境やコンテンツづくりも重要だ。さらに、大都市での自動車購入制限や高級住宅購入規制など、消費を妨げる制度上の障害は改革し、中高所得層が安心して消費できる環境を整えることが不可欠である。お金があっても使えない、使う場所がないという状況を避けることが重要とされる。

こうした取り組みを通じて、消費の内発的な活力は大きく引き出され、持続的かつ健全な消費成長が経済の基盤を強化することになるだろう。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News