【8月7日 AFP】イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は6日、パレスチナ自治区ガザ地区の完全占領をめぐり意見の相違が報じられたのを受け、軍はガザに関する政府の決定を実行しなければならないと述べた。

イスラエルメディアによると、ベンヤミン・ネタニヤフ首相と閣僚はガザの完全占領を命じる可能性があるが、軍のエヤル・ザミール参謀総長(中将)は反発している。

首相府によると、ネタニヤフ首相は5日、ザミール参謀総長や治安関係閣僚と3時間にわたり協議し、イスラム組織ハマスとの交戦継続の選択肢について話し合った。

公共放送KANによると、ザミール参謀総長は協議で、ガザ完全占領は「敵の思うつぼにはまる」ようなものだと警告した。

民放チャンネル12によると、ザミール参謀総長は、ハマスの戦闘員が潜伏しているとみられる特定の地域を包囲するなど、完全占領に代わる選択肢を提示した。

カッツ国防相はX(旧ツイッター)への投稿で、「参謀総長が適切な場で自らの見解を表明するのは権利であり義務でもある」と述べる一方で、軍は政府の決定に従わなければならないと指摘。

「政治階層によって決定が下された後、IDF(イスラエル国防軍)は断固とした姿勢でプロ意識を持ってそれを実行するだろう」と述べた。

野党指導者のヤイル・ラピド前首相は、6日のネタニヤフ首相との会談で「ガザ占領は非常に悪い考えだ。作戦的にも、道徳的にも、経済的にも」と伝えたと述べた。

ドナルド・トランプ米大統領は5日、記者団に対し、ガザを完全占領する計画については知らないが、「イスラエルが決めることだ」と述べた。(c)AFP