【8月6日 AFP】広島は6日、80回目の原爆の日を迎え、平和記念式典を行った。米国とロシアの軍事的緊張により「世界終末時計」が真夜中近くに迫る中、原爆投下当時の惨状を世界に改めて思い起こさせるものとなった。

1945年8月6日に米軍のB29爆撃機「エノラ・ゲイ」が広島に原爆を投下した時刻の8時15分、参列者は黙とうをささげた。

蒸し暑い朝、黒い服を着た職員、学生、生存者が原爆ドームを背景に慰霊碑に花を手向けた。

広島市の松井一実市長は演説で、「ロシアによるウクライナ侵攻や混迷を極める中東情勢を背景に、世界中で軍備増強の動きが加速しています」と指摘。

「こうした事態は、国際社会が過去の悲惨な歴史から得た教訓を無にすると同時に、これまで築き上げてきた平和構築のための枠組みを大きく揺るがすものです」と続けた。

広島では爆発と被爆の影響で、1945年末までに14万人が死亡した。(c)AFP