【8月6日 AFP】米下院監視・説明責任委員会は5日、性的搾取目的の人身取引などの罪で起訴された米富豪、故ジェフリー・エプスタイン元被告(勾留中に自殺)をめぐる疑惑で、ビル・クリントン元大統領と妻のヒラリー・クリントン元国務長官らに宣誓証言を求める召喚状を出した。

クリントン夫妻の他、連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー元長官、ロバート・モラー特別検察官、ロレッタ・リンチ元司法長官、エリック・ホルダー元司法長官、メリック・ガーランド元司法長官、ビル・バー元司法長官、ジェフ・セッションズ元司法長官、アルベルト・ゴンザレス元司法長官にも召喚された。

司法省が先月、エプスタイン元被告が獄中で自殺したとして事件が事実上終結したと発表したことに、多くがエプスタイン元被告が隠蔽(いんぺい)工作のために殺害されたと信じているドナルド・トランプ大統領の支持者らが反発。ホワイトハウスに対して透明性の向上を求める声が高まっている。

下院監視・説明責任委員会のジェームズ・コマー委員長はクリントン元大統領に宛てた召喚状で、「あなた自身の告白によると、あなたは2002年と2003年にジェフリー・エプスタイン氏のプライベートジェットに4回搭乗している」「このうちの1回では、エプスタイン氏の被害者の一人から『マッサージ』を受けている写真まで撮られた」と述べた。

エプスタイン元被告の死は、トランプ氏の支持者たちが長年唱えてきた陰謀論、つまりエプスタイン元被告が国際的な小児性愛者(ペドフィリア)組織を運営しており、顧客だったエリート層は秘密を漏らさせまいとしていたという説をさらにあおった。

コマー委員長の動きは、下院監視・説明委員会の民主党議員が8月の休会直前に召喚状発行の採決を強行し、共和党議員3人がこの動きを支持したのを受けたもの。

動議を提出した民主党のサマー・リー下院議員は、「どれほど裕福で、権力やコネを持つ人物であろうと、正義は万人に適用されるべきだ」と述べた。(c)AFP