【8月5日 AFP】米電気自動車(EV)大手テスラは5日、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)に対し、約290億ドル(約4兆2500億円)相当の株式報酬を暫定的に付与することを決めたと発表した。トップ人材をめぐる激しい競争が続く中、物議を醸すマスクCEOを引き留める必要性を再確認した形だ。

テスラは声明で、マスク氏に9600万株を付与すると発表。「CEOの将来の貢献に対し、当社および株主への貢献に見合った報酬を支払う意向だ」と説明した。

テスラは2018年に約558億ドル(約8兆2000億円)の報酬案を決定したが、デラウェア州の裁判所がこれを無効と判断。同社はこの判断に異議を唱え、裁判が現在も続いている。

今回の報酬案は、テスラが「長期的なCEO報酬戦略」を策定するまでの暫定的措置であると株主に説明され、「イーロンを引き留めることは、これまで以上に重要だ」とのメッセージが発信された。

取締役のロビン・デンホルム氏とキャスリン・ウィルソン・トンプソン氏が署名した株主宛ての書簡には、報酬案について、マスク氏の関心が会社から逸れているとの懸念に触れつつ、「イーロン氏のエネルギーをテスラに集中させるための一歩だ」と説明した。

なお、裁判所が2018年の報酬案を全面的に認めた場合、今回の株式報酬は無効となる。(c)AFP