【8月5日 AFP】北欧諸国では先月、異常な熱波が観測され、涼を求めて北極圏を訪れた人々の期待を裏切る形となった。専門家は、今後も北欧の猛暑が続く可能性は高いと警告している。

近年、北欧諸国への観光客が増加しており、「クールケーション」と呼ばれている。気温の高い地中海などから暑さを逃れて、北欧で涼を求めるトレンドだ。

しかし7月の記録的な高温で、観光客の猛暑から逃れたいという希望をかなえることができなかった。

フィンランド気象研究所は4日、同国で30度を超える気温が22日間続いたと発表した。これは1961年に統計をとり始めて以来、最長の熱波だという。

ノルウェー気象研究所によると、7月は同国で記録のある1901年以来、3番目に暑い月となり、全国的に季節平均を2.8度上回った。7月12日から25日までの2週間の熱波は、ノルウェー史上、最も暑い期間だった。

スウェーデン北部のハパランダでは、7月に14日連続で気温が25度以上に達し、ヨックモックでは熱波が15日以上続いた。スウェーデン気象・水文研究所によると、これは1世紀ぶりのことだという。

北極圏に位置し、サンタクロースの故郷として知られるフィンランド・ラップランド地方ロバニエミでは、先週気温が30度を超えた。

フィンランド南東部のヨエンスー市は、地域の医療サービスの負担を軽減するため、冷却施設としてアイスリンクを開放した。

気候変動により、北極圏内は他の地域よりもはるかに速く温暖化しているという。

スウェーデン気象・水文研究所のスべルケル・ヘルストロム氏は「このような気象の頻度は増加しており、今後も増える可能性がある」と語った。(c)AFP