50.5度観測のトルコ都市、住民が電気代補助求める「エアコンは必需品」
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【7月31日 AFP】猛暑に見舞われたトルコ南東部で最高気温が気温が50度を超えたことを受け、エアコンの使用が増えたために高額な電気代に直面する住民たちが、政府に電気代補助を求めている。
南東部シロピでは25日、50.5度を観測し、トルコ観測史上最高気温を観測した。
シロピのアイスクリーム職人レジェップ・エシヨクさん(59)はAFPの取材に応じ、「この暑さには耐えられない」「シロピに住んで30年ほどになるが、こんな暑さは経験したことがない。他の場所でもこんな暑さは経験したことがない」と語った。
エシヨクさんは店のエアコンのおかげで猛暑を乗り切れているが、今は電気代の支払いが心配だという。
「先月の電気代は5万9000リラ(約21万6000円)だった。この問題について政府に支援を求めている」。
■「例年とは比べものにならない暑さ」
25日までのトルコ観測史上最高気温は、2023年8月に記録された49.5度だった。
科学者たちは、人間活動における化石燃料の燃焼による気候変動が、熱波の発生確率、期間、そして強度を増大させているという点で一致している。
地元記者のハリル・コスクンさん(52)は、「気温が上がり、例年とは比べものにならないほどの暑さになっている」と述べた。
トルコは依然として熱波に見舞われており、気象局によると、27日以降、気温は例年より6~12度高い状態が続いている。
■森林伐採への不満
山のふもとにあるシロピの町の周囲に涼しさをもたらす森林が不足していると、不満を漏らす住民もいる。
「残念ながら、ここの森林は過去に治安上の理由で焼かれた」とコスクンさん。
最近武装解除した非合法組織クルド労働者党(PKK)の戦闘員を捜索するため、トルコ軍が森林を伐採したという。
トルコ議会は今月、広範な反対にもかかわらず、オリーブ畑を含む特定の農地を鉱業活動に開放する法案を可決した。
コスクンさんは、「木を伐採するのではなく植えることで、少なくとも暑さを軽減できる」と語った。
■電気代
ケバブ店で汗を流す地元住民のジェミル・セヘルさん(51)は、シロピの夏は3か月どころか5か月も続くと語った。
セヘルさんにとって、エアコンはもはやぜいたく品ではなく必需品だ。
「ここでは、エアコンはパンや水と同じくらい欠かせないものだ」とセヘルさん。
「エアコンを稼働させると電気代がものすごく高くなる」と続け、当局に事業者向けの割引を要求した。
セヘルさんは、「シロピだけでなく、ここから東部のシャンルウルファまで、地域全体で割引をしてほしい」「電気代を払うために働いているようなもので、利益は出ていない」と訴えた。(c)AFP