イチロー氏、米野球殿堂入り式典に出席
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【7月28日 AFP】(更新)米国野球殿堂入り式典が27日、米ニューヨーク・クーパーズタウンで行われ、元米大リーグ(MLB)のイチロー氏(51)は「新人に戻ったような気分」と述べた。
C・C・サバシア氏とビリー・ワグナー氏、故デーブ・パーカー氏、故ディック・アレン氏の4人とともにイチロー氏は、米国野球殿堂入りを果たした。
日本生まれの選手として初の殿堂入りという特別な瞬間にイチロー氏は、「きょう、再び経験することはないと思っていた感情を覚えています」「これで3度目のルーキーです」と述べた。
イチロー氏は1992年に日本プロ野球(NPB)のオリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)でデビューし、2001年からMLBのシアトル・マリナーズでプレー。そこでのルーキーとしての思いが、バットコントロールと送球が驚異的な外野手としての、18年間の壮大なメジャーキャリアにつながった。
イチロー氏は2001年に首位打者と盗塁王に輝くと、ア・リーグ最優秀選手(MVP)と新人王を獲得した。イチロー氏以外にMVPと新人王の同時受賞を果たした選手は、1975年のフレッド・リンのみとなっている。
オールスターには通算10回選出され、1シーズン262安打というMLB記録を樹立。メジャー通算では3089安打、打率.311、117本塁打、780打点、509盗塁を記録した。
殿堂入り投票で満票選出に1票足らなかったイチロー氏は、投票しなかった記者を夕食に招待していたが、この日のスピーチで「その記者を自宅での夕食に招待するというオファーは、もう期限切れです」と語り、笑いを誘った。
一方でイチロー氏は、日本から米国への移行について語り、「日本からMLBに初めての野手として挑戦したとき、多くの疑念があったことは想像できるでしょう」「でも、それだけではありませんでした。批判や否定もありました。『国を辱めるな』と言った人もいました」と述べた。
「誰よりも支えてくれたのは妻の弓子でした。彼女も疑念を抱くのが自然だと思います。でも、彼女はそれを私に感じさせませんでした。選手として一貫性を持とうとしましたが、彼女はこれまでで最も一貫したチームメートでした」
イチロー氏はまた、自身の体格がMLBで通用するのかと疑った懐疑派について回想し、「小さなことをコツコツ積み上げていけば、達成できることに限界はない」と述べた。
「私を見てください。身長5フィート11インチ(1メートル80)、体重170ポンド(77.1キロ)です。米国に来たとき、私が大きな大リーガーと競うには痩せすぎていると多くの人が言いました」
「初めてフィールドに出たとき、相手に圧倒されましたが、準備に関する自分の信念を貫けば、疑念を克服できると知っていました。自分自身の疑念さえも」(c)AFP