【7月26日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領と性的搾取目的の人身取引などの罪で起訴された米富豪、故ジェフリー・エプスタイン元被告(勾留中に自殺)が未成年の少女と交流している場面とされるAI(人工知能)によって生成された偽の写真や動画がソーシャルメディアに氾濫し、数百万回もの閲覧されている。研究者らが25日、明らかにした。

トランプ氏は、エプスタイン元被告と15年にわたり友人として付き合い、一緒にいるところをしばしば写真にも撮られていたが、今は距離を置こうとしている。

広く拡散されている偽動画の一つには、トランプ氏とエプスタイン元被告がダンスをする幼い少女たちをいやらしい目で見ている場面が映っており、BGMには英バンド、シャーデーの曲「Is it a Crime?(罪なのかな?)」が流れている。

少なくとも2枚の偽写真には、2人が未成年の少女たちと一緒にソファに座っている場面が写っている。

別の偽写真には、トランプ氏がエプスタイン元被告が所有する島で10代の少女とダンスをしている場面を捉えたとされるものもある。この写真には、「撮影時、トランプ氏は50代だった。どんな男がそんなことをするのか?」というキャプションが重ねて表示されている。

偽情報監視団体ニュースガードによると、少なくとも7枚の偽画像と1本の偽動画は、控えめに見積もってもソーシャルメディアプラットフォーム全体で累計720万回以上閲覧・再生された。

同団体は、HiveやIdentifAIなどの複数の検出ツールを使い、これらのコンテンツがAIツールによって捏造(ねつぞう)されたものであることを確認したとしている。実際の閲覧・再生回数は、エンゲージメントの高い投稿を手動で集計した数値よりもはるかに多い可能性が高いという。

トランプ氏とエプスタイン元被告の関係は深く、2004年に不動産取引をめぐって仲たがいするまでは、一緒にいるところを頻繁に撮影されていた。

だが、2人が未成年の少女たちと一緒に写っている写真や、トランプ氏がカリブ海にあるエプスタイン島を訪れている写真などについては、本物は存在しないようだとニュースガードは述べている。(c)AFP