中国首相、巨額の輸出補助金を否定「そんな余裕はない」
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【7月25日 AFP】中国の李強首相は24日、欧州連合(EU)首脳らとの緊迫した会談で、中国が自国産業に巨額の補助金を支給しているのではないかとのEU側の懸念について、「そんな余裕はない」と述べて一蹴した。
李氏は欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長との会談で、「中国は決して、いわゆる補助金政策や財政補助金を行っていない」と強調。
「中国は欧州ほど豊かではないので、そんな余裕はない」「政府と国民の勤勉さによって蓄積された財政資金を、外国の消費者に自国製品を売るために使うほど愚かではない」と述べた。
フォンデアライエン氏とアントニオ・コスタ欧州理事会常任議長(EU大統領)は同日、北京で首脳会談に臨んだ。
EU・中国間の貿易とロシアによるウクライナ侵攻が議題の中心となったが、EUの最大の懸念は拡大する対中貿易赤字で、昨年は約3600億ドル(約53兆円)に達した。
EUはまた、中国が自国産業に支給する巨額の補助金についても、安価な中国製品を欧州に大量に送り込み、欧州の競合相手を圧倒する恐れがあると懸念を表明している。
中国のナンバー2、李氏はEU首脳との会談でこれらの主張を否定。
「製造業を中心とする一部の企業は、中国の生産能力が過剰すぎること、そして中国人が勤勉すぎることをこれまで以上に深く認識している」「工場は24時間フル稼働している」と述べた。
さらに、「これが世界の生産量における需給バランスに新たな問題を引き起こすと考える人もいる」「この問題はわれわれも認識している」と認めた。
李氏はまた、長年伸び悩んでいる中国経済が深刻な危機にあるとの主張も否定した。
「もちろん困難や課題はあるが、中国経済が低迷しているとは言い難い」「中国のGDP(国内総生産)成長率は常に5%を超えている」と強調した。(c)AFP