イスラエル、大規模飢餓めぐる非難に反論「ハマスのしわざ」
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【7月24日 AFP】イスラエルは23日、パレスチナ自治区ガザ地区の慢性的な食糧不足の背後にイスラエルがいるという国際社会の批判に反論し、ガザで人道危機を意図的に引き起こしているのはイスラム組織ハマスだと主張した。
これに先立ち100以上の支援団体と人権団体は同日、ガザで「大規模な飢餓が広がっている」と警鐘を鳴らした。フランスも「イスラエルによる封鎖」によって引き起こされる「飢餓のリスク」の高まりを警告した。
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長も同調し、「ガザ住民の大部分が飢餓に苦しんでいる」と述べた。
テドロス氏は記者団に対し、「これは大規模な飢餓としか言いようがない。しかも人為的なものだ」と語った。
だが、イスラエル政府のデビッド・メンサー報道官は、「飢餓を引き起こしたのはイスラエルではない。ハマスが仕組んだ人為的な食糧不足だ」と述べた。
ガザに配備されている軍部隊を視察したイツハク・ヘルツォグ大統領は、イスラエルは「国際法に従って行動している」と主張する一方、ハマスが1年9か月以上前に開始されたイスラエル軍の軍事作戦を妨害しようと、支援物資の配布を「妨害しようとしている」と述べた。
米国とイスラエルの支援を受けてガザで人道支援物資の配給を行う「ガザ人道財団(GHF)」は、イスラエルが2か月にわたるガザ完全封鎖を緩和し、長年続いてきた国連主導の支援体制を事実上、脇に追いやったのを受け、5月26日に活動を開始した。
支援団体は、イスラエルによる支援物資搬入許可は依然として限られている上、戦闘が続く地域では、必要とされる場所にトラックを安全に移動させるための調整が大きな課題となっていると述べている。
メンサー氏は、2023年10月7日にイスラエルに攻撃を仕掛け紛争を引き起こしたハマスが、支援物資の配布を妨害したり、略奪して高値で転売したりしていると非難した。
メンサー氏は、「支援物資はガザに流れ込んでいる」と述べ、トラックは境界の通関手続きを済ませて境界のガザ側で待機しているにもかかわらず国連とその他の支援団体が積み荷の食料やその他の必需品を受け取っていないと非難した。(c)AFP