「闇の王子」オジー・オズボーンさん死去 伝説のロック人生に幕
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【7月23日 AFP】英国のミュージシャン、オジー・オズボーンさんが22日、76歳で死去した。家族が発表した。オズボーンさんは今月、英ロックバンド「ブラック・サバス」のフロントマンとして、キャリアを締めくくる最後のステージに登場したばかりだった。
1948年12月3日、バーミンガム生まれ。本名はジョン・マイケル・オズボーン。2019年にパーキンソン病と診断されていた。
家族は声明で「言葉では表現しきれないほどの悲しみをもって、今朝、私たちの愛するオジー・オズボーンが亡くなったことを報告します」と発表した。
「彼は家族に囲まれ、愛に包まれていました。この時期、私たちのプライバシーを尊重していただくようお願いします」とも述べた。
ブラック・サバスの公式インスタグラムには「Ozzy Forever(オジー・フォーエバー)」との投稿があった。
ステージ上でコウモリの頭を噛み切るという語り草となった行動でも知られる「闇の王子」オズボーンさんの訃報を受け、世界中から哀悼の声が寄せられている。
英歌手エルトン・ジョンさんは「ロックの神々の殿堂にその名を刻んだ大きな先駆者であり、真の伝説」と称賛し、「彼はまた、私がこれまでに会った中で最も愉快な人物の一人だった。彼がいなくなるのは本当に寂しい」とインスタグラムにつづった。
ローリング・ストーンズのロニー・ウッドさんも「オジーの死を知り、とても悲しい」とコメントした。
1968年にバーミンガムで結成されたブラック・サバスは、1970年代から80年代にかけて商業的な成功を収め、「ヘビーメタル」という音楽ジャンルの確立に貢献。オズボーンさんはその先駆者として重要な役割を果たした。
デビューアルバム「黒い安息日(Black Sabbath)」は1970年に全英チャートでトップ10入りし、その後の「パラノイド(Paranoid)」など数々のヒット作につながった。
米ロックバンド「パール・ジャム」のギタリスト、マイク・マクレディさんはX(旧ツイッター)に「オジーの声が私を暗黒の世界へと連れて行ってくれた。素晴らしい逃避行だった。彼の音楽に感謝している。オジー、君のおかげで人生の旅がより良くなった」と投稿した。
ブラック・サバスは全世界で7500万枚以上のアルバムを売り上げ、2006年にロックの殿堂入りを果たした。オズボーンさんは昨年、ソロアーティストとしても再び殿堂入りしている。
今月5日には、バーミンガムのアストン・ビラFC本拠地、ビラ・パーク・スタジアムで1日限りのコンサート「Back To The Beginning」に出演。オリジナルメンバーのギーザー・バトラーさん、トニー・アイオミさん、ビル・ワードさんとともに、約20年ぶりに同じステージに立った。
代表曲「Paranoid」でコンサートを締めくくったオズボーンさんは「これが最後の曲だ。皆さんのサポートのおかげで素晴らしい人生を送ることができた。心の底から感謝する」と語り、観客の歓声を浴びた。(c)AFP