【7月22日 AFP】イタリア・ナポリ近郊にあるカゼルタ王宮は21日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領への支持を表明している同国の指揮者ワレリー・ゲルギエフ氏のコンサートを中止すると発表した。政治家やロシア批評家からの反発が高まる中、発表された。

18世紀に建てられたカゼルタ王宮で今月27日に予定されていたコンサートは、イタリア国内で激しい議論の的となり、ウクライナから非難され、国外追放されたロシアの反体制派から抗議の呼びかけを引き起こしていた。

ゲルギエフ氏はモスクワのウクライナ侵攻を非難しておらず、その立場のために2022年3月にミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団から解雇された。それ以来、西側諸国から敬遠され、欧州でのコンサートも行っていない。

カゼルタ宮殿は「カゼルタ王宮の理事会は、7月27日にフェスティバルの一環として行われる予定だったワレリー・ゲルギエフ氏指揮の交響曲コンサートの中止を命じた」と声明を発表。

決定の公式な理由は示されなかった。

プーチン氏と個人的な関係があるとされるゲルギエフ氏は、ロシアのボリショイ劇場とマリインスキー歌劇場の総支配人であり、2022年のウクライナ侵攻前は西側の主要な劇場で定期的に演奏していた。(c)AFP/Ola CICHOWLAS