【7月19日 AFP】スリランカ各地で18日、野生のゾウ少なくとも3頭の死骸が見つかった。同国では17日、保護活動の一環として救助された若いゾウ6頭がジャングルに戻されたばかり。

野生生物保護当局によると、1頭は北東部で旅客列車にひかれ、2頭は中部と東部で射殺されたとみられている。

ゾウは法律で保護されており、仏教文化における重要性から神聖なものとされているが、作物を守ろうとする農民によってしばしば殺されている。

スリランカでは今年、人とゾウの衝突により、ゾウ約200頭、人55人が死亡している。

中心都市コロンボの警察の担当者は、「ゾウ2頭の射殺事件について捜査を開始した。地元農民のしわざとみわれる」と述べた。

列車事故はギャレラで発生。同地では2月にも、ゾウ7頭が機関車にひかれて死ぬというスリランカ史上最悪の事故が起きている。

ゾウが生息する森林地帯を通過する列車には速度制限がかけられているにもかかわらず、事故は起きた。

スリランカ鉄道の関係者は、「運転士が速度制限に違反したかどうかを確認するため、内部調査を開始した」と述べた。

野生生物当局は17日、1998年に開始された保護プログラムに基づき、リハビリテーションを施した5~7歳のゾウ6頭をジャングルに戻した。

コロンボの南東約210キロに位置するウダワラウェのエレファント・トランジット・ホームは、救助されたゾウを保護し、最終的には野生に返している。

この施設は、捨てられたり、負傷したり、群れからはぐれたりしたゾウ57頭が保護されており、観光名所となっている。

スリランカ当局は、保護されたゾウを家畜化するのではなく、野生に戻すというこの施設の戦略が成功していると考えている。

この施設は1998年以降、187頭のゾウを野生に戻した。

野生のゾウと農民の対立が激化しているため、保護活動はますます緊急性を増している。

野生生物当局の公式統計によると、2010年以降、対立の激化によりゾウ4835頭、人1601人が死亡している。(c)AFP