【7月18日 AFP】中国で農業を営む張勝武さん(60)が、潜水艇を自作した。「大黒魚」は2人乗りで、8メートル潜水し、30分間水中にとどまることができる。

中国東部の安徽省含山県の村に住む張さんが、最近自宅近くの川に重さ5トンの潜水艇を進水させたと、17日に中国国営中央テレビ(CCTV)が報じた。

その映像には、張さんが水面に浮いた全長7メートルの潜水艇をハッチから操縦したり、ハッチを閉めた後に潜水したりする様子が映し出されていた。

元大工で海運業にも携わっていた張さんは、2014年にテレビで潜水艇の建造映像を見た後、自作を決意した。

「長年水のそばにいて、鉄の船や木の船を見てきたが、水の中に潜れる船は見たことがなかった」「他の人ができるなら、私にもできると思った」

妻に「高価で、危険で、役に立たない」と反対されたものの、張さんは潜水艇の夢を追い始め、まず5000元(約10万円)を鋼板やエンジン、その他の材料に費やして、2016年に「第一世代」の潜水艇を水に浮かべたが、漏水した。

張さんは数年後、今度は4万元(約83万円)をつぎ込んで新たな鋼鉄構造物をつくり、底に2トンのコンクリートを注ぎ、二つのバラストタンクを配した「大黒魚」の水上試験の準備を整えた。

中国海軍の先進的な原子力潜水艦とは異なり、張さんの潜水艇は小さなバッテリーと電動モーターを使用しており、時速4ノットで航行。30分後には浮上する必要がある。

張さんは今後、さらに大きな潜水艇を建造する計画だという。

これまでにも中国では潜水艇建造に挑戦した人はおり、2009年にはカラオケバーの店員である男性が、北京の貯水池で自作の潜水艦を操縦した。また15年には、北部陝西省の村民が、9.2メートルの潜水艇をつくるため20万元(414万円)の借金を抱えた。(c)AFP