【7月17日 AFP】20日投開票の参院選を前に世論調査で支持率を急激に伸ばしている参政党は、公認候補の一人がロシアの政府系通信社スプートニクのインタビューに応じたことを受け、ロシアとの関係を否定した。

日本の政治は長らく中道右派の自民党に支配されており、ポピュリズム勢力は依然として非主流派にとどまっている。

だが右派の参政党は、グローバリズム、移民、外国資本への反対を含む扇動的な「日本人ファースト」の政策で勢いに乗っている。

世論調査によると、石破茂首相率いる自民、公明両党連立政権が過半数割れとなる可能性もある一方、参政党は非改選も合わせた現在の2議席から10議席以上に大きく躍進する可能性がある。

参政党に関する最新の論争は、東京選挙区に立候補した新人・さや氏をめぐるものだ。さや氏はスプートニクのインタビューを受け、その内容が14日に同通信社の日本語版X(旧ツイッター)アカウントで公開された。

さや氏がスプートニクに突然出演したことで混乱が巻き起こり、ソーシャルメディアでは参政党が親ロシアなのではないかとの臆測が飛び交った。

参政党の神谷宗幣代表は15日、ネットニュース番組に出演し、ロシアとの特別な関係を否定。「ロシアとも中国とも米国とも特にない。どこの国とも均衡外交だ」と強調し、「スプートニクに出たから親ロ派はあまりに短絡的だ」と指摘した。

さや氏のスプートニク出演については、人的ミスによるもので、このような仕組まれたものだとは知らなかったと釈明。

権限のない職員が党本部に相談することなく、出演しても構わないとさや氏に伝えたのだという。

神谷代表はロシアのウクライナ侵攻について、「良くないが、ロシアを追い込んだ勢力も米国の中にいる。その背景もフラットに見ないと、ロシアだけ100%悪いというのは公平ではない」「そう言ったら、お前らは親ロ派だみたいな話が始まった」と語った。

国内メディアによると、青木一彦官房副長官は16日の記者会見で、「わが国も(外国勢力による)影響工作の対象になっている」と断言した。

スプートニクなどのロシア国営メディアは、「偽情報と情報操作」を理由に欧州連合(EU)で禁止されている。スプートニクは米国による制裁の対象にもなっている。(c)AFP