反移民の右派政党「リフォームUK」、地方選で大勝 下院補選も勝利
このニュースをシェア
【5月3日 AFP】反移民を掲げる英国の新興強硬右派政党「リフォームUK」は2日、イングランドの地方選で圧勝し、二大政党に痛烈な打撃を与えた。下院補選でも、与党・労働党から議席を奪取した。
欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)を主導したナイジェル・ファラージ党首率いるリフォームUKは、1日に実施された地方選で、初めて地方議会の過半数を確保した他、初めて二つの首長ポストも獲得した。
この結果は、英国が多党制の時代に入り、20世紀初頭以来、労働党と保守党の二大政党が支配してきた政治情勢が変化している傾向を裏付けるものだ。
ファラージ氏は中部の町スタッフォードで祝賀に集まった群衆に向けて、「われわれは保守党という艦(HMS Conservative Party)を沈めた。彼らはもう終わりだ。過去のものとなった」「われわれは次の総選挙に勝利できる。必ず勝利する」と高らかに宣言した。
リフォームUKは、イングランド北西部ランコーンおよびヘルスビー選挙区で行われた下院補選で、わずか6票差で勝利した。かつて労働党の地盤だった同選挙区での勝利は、昨年の総選挙で見られたリフォームUKの勢いにさらに弾みをつけるものとなった。
リフォームUKはこの勝利により、下院(定数650)の議席を5に伸ばした。これは英国の強硬右派政党としては前例のない数字だ。
リフォームUKは、新しく設けられたリンカンシャーと、ハルおよびイーストヨークシャーの首長選でも初めて勝利した。
また、中部スタッフォードシャーや北西部ランカシャー、南部ケントなどの地方議会で初めて多数党となった。
退職生活者のクリストファー・デイビスさんはAFPの取材に対し、労働党に「不満」を抱いていたためリフォームUKに投票したとして、今回の結果は「二大政党に対する警鐘」だと指摘。
リフォームUKの主張すべてに賛同しているわけではないが、「現体制への幻滅」から同党に投票したと説明した。
世論調査によると、英国民は経済成長の停滞、不法移民の大量流入、公共サービスの水準低下にますます幻滅している。
リフォームUKは、イギリス海峡を渡る不法移民の船を「阻止する」と表明しており、地方選での勝利がおそらく2029年に実施されるであろう次期総選挙前の草の根運動を広げるのに役立つことを期待している。(c)AFP