国家統計局:下半期の消費者物価は緩やかに回復へ
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【8月5日 東方新報】中国国家統計局の盛来運(Sheng Laiyun)副局長は、7月15日に国務院新聞弁公室で行われた記者会見において、中国のインフレ動向について分析し、「複数の要因に支えられ、今年後半の中国の消費者物価は、低水準ながら緩やかに上昇する見込みだ」と述べた。
今年上半期、中国の消費者物価(CPI)は下落傾向を示した。中でも、食品とエネルギーの価格下落が大きく影響した。上半期において、食品価格は前年比で0.9%、エネルギー価格は3.2%それぞれ下落し、この2つの要因だけでCPIを約0.4ポイント押し下げた。
盛氏は、現在の物価が低水準にとどまっている理由について、2つの側面から説明した。ひとつは、中国が現在、産業構造の転換と高度化の重要な局面にあるため、従来の成長エンジンが調整局面に入っている一方で、新しい成長エンジンはまだ成長途中であり、その勢いが十分ではないこと。こうした背景のもと、物価全体が調整段階にあるのは一部の産業にとって市場からの淘汰が進んでいることの表れでもある。もうひとつは、外部環境の変化が物価の下押し圧力を強めていることだ。
ただし、中国のCPIは最近、前向きな変化も見られている。6月のCPIは前年比で0.1%上昇し、コアCPIも前年比0.7%上昇して、昨年以降で最も高い水準となった。「これは、内需拡大や物価安定を促す一連の施策が奏功し、市場の物価動向に明るい兆しが見られたことを意味している」と盛氏は述べた。
今年後半の物価動向について、盛氏は「消費者物価は低水準ながら緩やかに上昇する」と予測し、その根拠として以下の5点を挙げた。
第一に、経済全体が安定的に回復しており、総需要の拡大が進んでいることが、物価安定のマクロ的基盤を支えている。
第二に、内需拡大を含む関連政策が引き続き効果を発揮し、消費需要を喚起することで、消費財価格の安定と緩やかな上昇を後押しする。
第三に、政府は企業による低価格・無秩序な競争の是正を求めており、これが市場秩序の整備や環境の改善につながる。最近では、太陽光発電、セメント、自動車業界などの業界団体が自主的に価格に関する自律的取り組みを行っており、これが価格に前向きな影響を与える見込みだ。
第四に、夏休みなどの連休効果が引き続き表れ、旅行や外食などサービス分野の価格が安定もしくは上昇する可能性がある。
第五に、技術的要因として、下半期はCPIおよびPPI(工業生産者出荷価格指数)のいわゆる「前年同期比の影響」が薄まり、指数の下押し圧力が次第に減少していくとみられる。(c)東方新報/AFPBB News