【7月14日 AFP】アイルランド西部で10年以上前に存在が明らかになった、乳幼児数百人の遺体が埋葬されたとみられる集団墓地の本格的な発掘作業が、14日に始まった。現場は、かつてカトリックの修道女会によって運営されていた未婚妊婦と子どもの保護施設の跡地で、今後2年かけてアイルランド国内外の専門家が調査を進める。

現場は西部ゴールウェー州チュアムにある施設跡地で、歴史愛好家によって存在が初めて示唆されてから10年以上を経て、ようやく本格的な調査に着手することとなった。

2016〜17年に実施された予備発掘調査では、現在は住宅団地の一角となっている場所の地下にある使用されていない浄化槽から、多数の乳児の遺体が見つかっていた。

この施設「セント・メアリーズ」は1925年から1961年にかけて運営されていた。いわゆる「母と子の家」と呼ばれる施設の一つで、婚外で妊娠し家族に見放された女性たちを収容していた。

出産後、一部の子どもは施設内で生活を続けたが、多くは教会と国家が連携した制度のもとで養子に出された。

こうした施設は国内各地で運営されていた。中には1998年まで閉鎖されなかった施設もあり、かつてカトリックの影響が強く保守的だったアイルランドの暗い歴史の象徴とされている。

チュアムでの最初の発見を受けて6年にわたって行われた調査では、76年間にわたり全国18の同様の施設を通じて5万6000人の未婚女性と5万7000人の子どもが関わっていたことが明らかになった。

国家およびカトリック教会が運営していた施設全体で、約9000人の子どもが死亡していたことも判明している。

記録によると、チュアムの施設では運営期間中に最大で796人の乳幼児が死亡していた。施設は1972年に取り壊されたが、跡地はほぼ手つかずのまま住宅地として残っている。

今回の発掘は、埋葬地への介入と身元特定に関する認可された対応を指揮・監督する「ODAIT(認可介入担当局)」が主導し、コロンビア、スペイン、英国、カナダ、米国の専門家が協力する。

ODAITのダニエル・マクスウィーニー局長によると、発掘では遺体の収容、分析、可能であれば身元の特定、そして再埋葬が行われる予定だという。(c)AFP