【7月12日 AFP】カンボジア国民議会(下院、125議席)は11日、憲法を改正し、外国と共謀した罪で起訴された者の国籍剥奪を可能にする法律を制定する道を開いた。

人権団体は長年、カンボジア政府が厳格な法律を用いて反対派や正当な政治的反対意見を抑圧していると非難している。

AFP記者が入手した情報によると、憲法の文言を「クメール(カンボジア)国籍の取得、喪失、および剥奪は法律によって決定される」と改正することにフン・マネット首相を含む議員125人全員が賛成票を投じ、全会一致で可決された。

改正前の憲法には、「いかなるクメール国民も、相互の合意による場合を除き、国籍を剥奪されたり、追放されたり、他国に引き渡されたりすることはない」と規定されていた。

カウト・リット法相は記者団に対し、憲法改正により、外国勢力と共謀して国家に反逆する者から国籍を剥奪することを可能にする法律を制定できるようになると述べた。

同法相は「裏切り者は、国家に守ってもらえなくなる」と述べ、新たな国籍剥奪法が間もなく議会に提出される予定だと付け加えた。

だが人権団体は、国籍剥奪法が政府への反対運動や野党勢力を標的にするために利用されることを懸念している。

国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルは11日の声明で、国籍剥奪は「甚だしい国際法違反」と非難。

同NGOの地域調査ディレクター、モンセ・フェレール氏は、「カンボジア政府が国民から国籍を剥奪する権限を乱用して批判者を弾圧し、無国籍者にするのではないかと深く懸念している」と述べた。

2月に欧州議会が行った説明によると、EU加盟27か国のうち15か国で、国家反逆罪または国家に対する忠誠義務違反を理由に国民から国籍を剥奪することができる。そのうち8か国では、帰化した元外国人のみが対象となる。

フン・マネット氏の父で影響力のあるフン・セン前首相は先月、「外国側に立ってわが国に危害を加える」国民から国籍を剥奪できるようにするため、憲法改正を求めていた。(c)AFP