【7月30日 東方新報】夏休みシーズンを迎え、「ペット経済」のブームを背景に、「ペット連れ旅行」が新たな観光トレンドとして注目を集めている。ペット同伴のキャンプパーティーやドライブ旅行、水辺でのレジャーなど、さまざまなスタイルの旅がペットを飼う家庭の心をつかみつつあり、ペットフレンドリーなホテルや専用観光ルートといったカスタマイズサービスを提供する事業者も増えている。「人とペットが一緒に楽しめる一体型の旅行体験」は、多くの人々から好評を得ている。

「飛行機や高速鉄道など、ペットと一緒に移動できる交通手段を整え、人とペットが共に楽しめる旅行ルートづくりを進めている」と語るのは、広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)の「狗狗去哪儿ペットクラブ」代表の楊耀華(Yang Yaohua)氏。最近では、シニア層を中心に構成されたペット同伴ツアーを組織し、広西から飛行機で青海省(Qinghai)までの旅を実施。航空会社との連携により、ペットと同じキャビンでの搭乗を実現させ、飼い主の「離れ離れ不安」を軽減する、ペットにやさしい旅行モデルの構築に取り組んでいる。

楊氏は、ペット連れ旅行市場に長年携わってきた経験から、「夏休み期間中のペットフレンドリーな宿泊施設の予約が大きく伸びており、オーダーメイドのサービス需要も高まっている」と述べている。一方で、目的地によっては管理の難しさなどから、ペット同伴が制限されている場所もあるという。こうした課題に対応するため、彼のクラブではペットオーナーのマナーを規範化する取り組みを行い、宿泊や観光地への受け入れをスムーズにし、快適な旅行ルートの整備を進めている。

「広西はベトナムと隣接しており、現在はベトナムへのペット連れ旅行ルートの開発を進めている」と楊氏は話す。ペット同伴ツアーの参加者は消費意欲が高く、これまでにもタイやロシアなどへの旅行を企画してきた。さらに、ペットと一緒に沢登り、ドライブ、映画鑑賞といった体験サービスも展開し、ツアー内容の多様化を図っている。「ペット経済」の活況を受けて、交通機関を含むペット関連サービスの整備が進み、将来的には貨物室に預けることなく客室で一緒に移動するスタイルが広まると期待している。

「2025年中国ペット産業白書(消費報告)」によると、2024年における中国都市部の犬猫関連消費は3002億元(約6兆1388億円)に達し、ペット同伴旅行が新たなトレンドとなっている。ペットフレンドリーな施設も次々と登場している。

広西チワン族自治区南寧市(Nanning)で7年間ペット同伴旅行を続けている林思彤(Lin Sitong)さんは、「毎年数万元(1万元は約20万円)をペット関連に使っており、ペットとの旅行は自分にとって大きな癒し。特別な思い出として心に残る体験であり、これこそがこの旅行スタイルがブームになっている理由」と語る。ペットと一緒に旅することで、ある程度は「ペットの社会化」にもつながると感じており、「ペットとともに過ごす時間」は飼い主の共感を呼び、新しい友人との出会いにもなっているという。

ペット同伴旅行の広がりについて、広西のペット行動トレーナー・崔静宜(%%Cui Jingyi%)氏は、「安全対策をしっかりとしたうえでのペット連れ旅行は、動物の心身の健康にも良い影響がある」と述べる。また、ペットの心理面に配慮する飼い主には、環境に慣れさせるための脱感作トレーニング(デンシタイゼーション)が有効だとし、「ペットに優しい観光地の数が増えれば、このニーズは決して一部のものではなく、より幅広く市場に浸透していくだろう」と語る。

広西社会科学院社会学研究所の所長・姚華(Yao Hua)氏は、「ペット連れ旅行は、人びとの「癒し」や「つながり」への欲求の高まりを反映しており、同時に一部の人びとが抱える孤独感の現れでもある」と分析。「高い感情価値を持つペットとの旅が新たなビジネスの形態を生み出し、こうしたニーズに応える移動手段やレジャースタイルが、今後の中国観光の新たな潮流になるだろう」と述べている。(c)東方新報/AFPBB News