【7月11日 AFP】欧州連合(EU)は10日、米実業家イーロン・マスク氏率いるAI(人工知能)開発企業が開発したチャットボット「Grok」がX(旧ツイッター)上で、ナチス・ドイツ総統アドルフ・ヒトラーを称賛するなど反ユダヤ主義的を繰り返したことを「極めて深刻に」受け止め、X社と「連絡を取っている」と発表した。

スクリーンショットによると、GrokはXへの複数の投稿で、ユダヤ人600万人の虐殺を統括したヒトラーを称賛し、ユダヤ人が「白人への憎悪」を扇動していると主張していた。

Grokの投稿にはイスラム教を蔑視するものや、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領を侮辱するものもあったため、トルコの裁判所はこれらを禁止した。

欧州委員会のテクノロジー問題担当報道官、トーマス・レニエ氏は、ポーランドが書簡でGrokの調査を求めたことを認めた。

EUはこの要請を慎重に検討し、「しかるべき時期に対応する」「われわれはこれを極めて深刻に受け止めている」と続けた。

欧州委員会は各国当局およびXと連絡を取っているという。

Xは、違法コンテンツの拡散と情報操作への対処方法をめぐり、EUのコンテンツ法に基づき、2023年12月から調査を受けている。

レニエ氏は、欧州委員会は調査の結果、GrokはXに「確実に統合されている」と結論付けたと述べた。(c)AFP