「ハニートラップ」含む外国のスパイ活動阻止、中国国家安全省
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【7月10日 AFP】中国は10日、スパイ活動3件を阻止したと発表し、政府職員に対して国外からの脅威に警戒を怠らないよう呼びかけた。このうち1件は、省政府職員が外国の工作員に色仕掛けで近づかれる「ハニートラップ」だったという。
中国の国家安全省(国家安全部)は、外国のスパイが「中国に侵入し、秘密を盗もうとする活動をますます活発化させており」、その標的が公務員に集中していると指摘した。一方で、こうした工作の背後にいる国家については名指ししなかった。
同省は、「信念の欠如、規律の緩み、規則意識の低下が原因で秘密漏洩が起こり、国家の安全と利益を損なう事態となっている」と警鐘を鳴らした。
発表によると、スパイ活動の1件では、「李」という姓の省政府職員が海外出張中に「綿密に仕組まれたハニートラップ」に陥った。この職員は「外国の情報員の魅力に抗しきれず」、撮影された「親密な写真」で脅され、中国に帰国後、公式文書を引き渡すよう強要されたという。裁判では、実刑5年の有罪判決が下されたとしている。
別の事例では、地方政府の幹部「侯」が秘密文書を密かに撮影し、ギャンブルで失った金を取り戻すために、それを外国の情報機関に売り渡したという。侯氏はその後、刑事責任を問われたが、刑罰の内容は明かされなかった。
3件目については、将来を嘱望されていた若手職員が、親族に機密情報を漏らし、その親族が写真を撮って海外の情報機関に送信したとされている。これにより当該職員は職を失ったという。
国家安全省は「秘密漏洩は、しばしば日常業務の些細な部分に潜んでいる」と述べた上で、「理想や信念が強くなければ、最終的に外国のスパイ機関が仕掛けた犯罪の深淵に陥る恐れがある」と警告した。(c)AFP