ハマスによる性暴力は「ジェノサイド計画の一環」 イスラエル報告書
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【7月9日 AFP】イスラエルの法律専門家グループ「ディナ・プロジェクト」は6日に公表した報告書で、パレスチナのイスラム組織ハマスが2023年10月7日のイスラエルに対する越境攻撃において、「ジェノサイド(集団殺害)計画の一環として」性暴力を用いたと非難した。
ディナ・プロジェクトは、ハマスによる攻撃を受けて、イスラエルの法学者や弁護士によって「犠牲者と生存者に対する認識と正義」を確保する目的で設立された。
同プロジェクトは、レイプ未遂の被害者1人と、性暴力を経験または目撃した元人質15人の証言を用い、映像・音声証拠に加え、救急隊員や遺体安置所の職員の証言も使用したと説明している。
報告書は10月7日の性暴力について、「広範かつ組織的」で、少なくとも6か所で発生したと結論付けた。
ハマスは「性暴力を戦術兵器として、ジェノサイド計画の一環として、そしてイスラエル社会を恐怖に陥れ、人間らしさを失わせることを目的として使用した」と同プロジェクトは述べた。
ハマスは、同組織が性暴力を用いたとの疑惑を断固として否定しているが、その主張を裏付ける証拠は示していない。
ディナ・プロジェクトの報告書は、「ジェノサイドの意図に基づく大規模攻撃の文脈において、刑事責任を確定するための」法的枠組みを用意しているとして、このような協調攻撃に参加した個人は、「たとえ個々の特定の行為を個人的に犯していなくても、あるいは共犯者によるその行為を知らなかったとしても、その攻撃の一環として行われたあらゆる残虐行為について責任を負う」と付け加えた。
報告書は、「被害者の直接の証言がない場合であっても」証拠を評価するための枠組みを用意しているとも述べた。
2024年3月に公表された国連報告書は、10月7日にハマスによるレイプが行われたと「信じるに足る合理的な根拠」があり、ガザに連行された人質もレイプされたとしている。
2024年7月に公表された国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの報告書は、ハマスとその同盟組織が10月7日の攻撃中に多くの国際法違反を犯したと指摘し、その中には性暴力やジェンダーに基づく暴力も含まれていると述べた。
同報告書は、紛争下の性暴力に関する国連特別代表チームの発言を引用し、少なくとも3か所でレイプと集団レイプを目撃したと証言した人々にインタビューを行ったとしている。(c)AFP