【6月27日 AFP】スペインのペドロ・サンチェス首相は26日、パレスチナ自治区ガザ地区が「ジェノサイド(集団殺害)の壊滅的な状況」にあると述べ、欧州連合(EU)に対し、イスラエルとの連合協定を即時停止するよう求めた。

サンチェス氏は、2023年のイスラム組織ハマスによる越境攻撃をきっかけに始まったイスラエルによるガザ攻撃を公然と批判してきたが、今回の発言はこれまでで最も強い非難となる。

​​サンチェス氏はベルギー・ブリュッセルで開催されたEU首脳会議での記者会見で、EUの外務省に当たる欧州対外活動庁による最近の人権状況調査報告書は「ガザで次々と明らかになっているジェノサイドの壊滅的な状況」を取り上げていると述べた。

先週発表された同報告書は、イスラエルがEUとの貿易関係の根拠となっている協定に基づく人権義務に違反している「兆候」があると指摘。イスラエルの封鎖によるガザへの人道支援物資搬入阻止、多数の民間人犠牲者、ジャーナリストへの攻撃、そして戦争による大規模な避難と破壊を例に挙げている。

サンチェス氏は、イスラエルが義務に違反しているのは「火を見るより明らか」であり、EUはイスラエルとの連合協定を「即時」停止すべきだと主張。

EUがウクライナ侵攻をめぐりロシアに対し18回もの制裁を課してきたにもかかわらずイスラエルのガザ攻撃に対応しないのは、「二重基準」であり、連合協定の停止すらできないのは「理解に苦しむ」と付け加えた。

EU・イスラエルの連合協定を即時停止するには加盟国の全会一致が必要だが、加盟国間で意見が割れており、実現は事実上不可能だと見られている。(c)AFP