【7月2日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は1日、犯罪外国人収容施設「アリゲーター・アルカトラズ(ワニのアルカトラズ)」を視察した。その過酷な収容環境を誇示し、ワニなどのどう猛な爬虫(はちゅう)類が警備員を務めるだろうと冗談を飛ばした。「アリゲーター・アルカトラズ」という名称は、トランプ氏が最近再開を表明した、サンフランシスコ湾のアルカトラズ島にかつてあった悪名高い刑務所に由来する。

この施設は、フロリダ州エバーグレーズ国立公園の奥深くにある使われなくなった飛行場跡に建設され、ワニや毒ヘビなどのどう猛な爬虫類が生息する沼地に囲まれている。

トランプ氏は記者団に「間もなく、この施設には地球上で最も凶悪な移民、最も邪悪な人間たちが収容されることになるだろう」「ここは何マイルにもわたって危険な沼地に囲まれており、脱出するには実際、国外追放されるしかない」と語った。

蒸し暑く、蚊がうようよいるこの施設は、不法移民の大規模強制送還作戦を推し進めるというトランプ政権の固い決意を象徴している。

■ワニの姿をした警備員

1日にトランプ氏が「アリゲーター・アルカトラズ」を訪れた際、施設前で一連の抗議デモに迎えられた。

だが、トランプ氏は「ワニの姿をした警備員や警察官がたくさんいる。彼らにはそんなに高い給料を払う必要はない」「私ならエバーグレーズを長時間走って突破しようとは思わない。人々は本来いるべき場所にとどまるだろう」と訴えた。

滑走路でトランプ氏を出迎えたフロリダ州のロン・デサンティス知事(共和党)は、「われわれはお役所的な手続きを省略し、こうした不法移民の国外追放を実現したい」と述べた。

トランプ氏は、1000人を収容できるように建設されたこの施設で、金属製の柵でできたおりの中に置かれた二段ベッドを感嘆のまなざしで見つめた。この施設は将来、5000人を収容できるよう拡張される予定だ。

これに先立ち同日、この施設の構想は、脱獄者がワニやヘビに食べられるというものだったのかと問われると、トランプ氏は「そういうコンセプトだと思う」と答えた。

ホワイトハウスで記者団に対し、トランプ氏はジグザグに手を動かしながらこう冗談を飛ばした。「ワニから逃げる方法を教えてやる。いいか?」「脱獄したら、こう逃げるんだ。一直線に走らないで。こう逃げるんだ。分かるか? チャンスは1%ほど上がる」。

しかし、この冗談の後、トランプ氏は不法移民についての痛烈な批判を展開し、最終的には米国籍を取得した者であろうと、犯罪者は国外追放する意向を示し、「物議を醸す話だが、私は全く気にしない」と述べた。

トランプ氏はジョー・バイデン前大統領(民主党)の政権下で起きた不法移民の流入を「吐き気がする」と表現し、移民の大半を「残虐な」犯罪組織の構成員と混同した。(c)AFP