クラブW杯での猛暑や雷雨、26年W杯も同様の懸念
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【6月29日 AFP】米国で開催中のサッカークラブW杯では溶鉱炉のような暑さや雷雨の脅威で混乱が起きており、2026年に開催されるW杯北中米大会でも同様の状況が予想されている。
米国東部は気候変動による記録的な猛暑に襲われており、コーチ陣や選手にとっては天候への適応が重要な課題となっている。
ボルシア・ドルトムント(ドイツ)は、シンシナティで行われたマメロディ・サンダウンズ(南アフリカ)戦の前半、控え選手をベンチではなくロッカールームに待機させるという異例の措置を取った。ドルトムントのニコ・コバチ監督は、最悪の場合は天候が大会の行方を左右する可能性があると指摘し、「この大会は最も優れたチームではなく、こうした気象条件に最も適応できるチームが勝つだろう」と語った。
大会では前後半の途中でクーリングブレークを取ることになっているが、ドルトムントを含む他のチームは暑さと湿度を軽減するために独自の追加措置を講じている。
今回のクラブW杯での経験は、米国・カナダ・メキシコの共催で行われる男子W杯で何が起きるのか占うものとなるだろう。生気象学の国際専門誌に掲載された最近の研究では、気候変動が原因で大会が「極端な暑さ」に見舞われるケースが「より頻繁かつ厳しく」なっていると指摘しており、選手や観客が過酷な暑さにさらされるリスクがあると警告している。
今回のクラブW杯では激しい暑さと湿度に加え、チームは雷の脅威による試合の中断にも対処しなければならなかった。
米国の安全対策では、スタジアムから10マイル(約16キロメートル)以内に落雷があった場合に試合を中断することになっており、今大会で長時間に及ぶ遅延を経験したのは、28日に行われたベンフィカ(ポルトガル)対チェルシー(イングランド)戦で6試合目となった。ベンフィカは、オークランド・シティ(ニュージーランド)戦でも天候による遅延で試合がほぼ2時間中断された。
国際サッカー連盟(FIFA)と2026年W杯のタスクフォースに助言している米国気象局のベン・ショット氏は、現在大会に影響を及ぼしている天候は異常気象ではないとし、来年のW杯に出場するチームやファンは状況に応じて適切な計画を立てるべきだと述べている。
「この時期の米国の天候としては非常に典型的だ」とショット氏は話し、「メキシコ湾から大量の湿気が流れ込み、午後には雷雨が発生する」「したがって、2026年のW杯に向けて、現在見ているものは再び見られる可能性が高い」と続けた。(c)AFP