ケネディ氏の専門家パネル、反ワクチン派標的の成分に反対票
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【6月27日 AFP】米国のロバート・F・ケネディ・ジュニア厚生長官によって任命された疾病対策センター(CDC)の予防接種実施諮問委員会(ACIP)の新メンバーは26日、同長官が自閉症を引き起こすという誤った主張を繰り返してきたワクチン成分、チメロサール(エチル水銀系の保存剤)の使用に反対する票決を行った。
チメロサールは世界保健機関(WHO)を含む各国当局によって広範に研究されてきたが、注射部位の軽微な反応を除き、有害性を示す証拠は確認されていない。
現在、米国ではワクチンにチメロサールが使用されることはまれであるにもかかわらず、影響力の大きいACIPが今回こうした勧告を行ったことは専門家らを憂慮させている。
専門家らによれば、この動きは事実上、反ワクチン運動が唱えてきた主張を国家政策に組み込む結果となる。
2024~25年シーズンの米国のインフルエンザワクチンの96%はチメロサールを含んでいなかったが、低所得国では依然、この保存剤が重要とされる。
ワクチンに関する誤情報を数十年広めてきたケネディ氏は、トランプ政権の厚生長官に就任。今月に入り、バイデン前政権下で任命されたACIP委員には利益相反があると非難した上で、委員17人全員を突然解任し、新たに8人を任命した。この中には、新型コロナウイルスの感染拡大期に虚偽の主張を広めたことで知られる科学者のロバート・マローン氏も含まれている。(c)AFP