【6月18日 AFP】フランス議会は17日に公表した報告書で、南太平洋に浮かぶ仏領ポリネシアで30年以上にわたって実施した核実験の影響について、フランスは謝罪すべきだと述べた。

フランスは1966年以降、仏領ポリネシアの特にムルロア環礁とファンガタウファ環礁において、193回の核実験を実施した。これらの実験には、深刻な健康被害をもたらした大気圏内核実験と地下核実験が含まれている。

仏領ポリネシアでは、数万人が有害なレベルの放射線に被ばくしたと推定され、深刻な公衆衛生危機を引き起こしたが、ほとんど無視されてきた。

こうした核実験は、仏領ポリネシアにおいて依然として深い憤りの種となっており、住民の命を軽視する人種差別的な植民地主義的態度の証拠と見なされている。

報告書は、「今回の調査により、フランス国が仏領ポリネシアに許しを乞う必要があるという委員会の確信が強まった」と指摘。

「許しを乞うのは単なる象徴でも、悔い改めを求めるものでもない。仏領ポリネシアとフランス国の間の和解プロセスにおける根本的な一歩でなければならない」と続けた。

報告書は、謝罪は2004年に制定された仏領ポリネシアの半自治権に関する法律に追加されるべきだとしている。

仏領ポリネシアの住民は、被ばく者への補償を望んでいる。

調査ウェブサイト「ディスクロージャー」は3月、約200回の核実験に関するフランス軍の機密解除された文書を引用し、放射性降下物の影響は当局が発表しているよりもはるかに広範囲に及んだと報じた。

同サイトによると、1996年の核実験終了以降、放射線被ばくに対する補償を受けた民間人は数十人程度にとどまっている。(c)AFP