国連、人道支援を大幅縮小 過去最大の資金減で
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【6月16日 AFP】国連(UN)は15日、過去最大の資金減に直面しているとして、世界各地における人道支援計画を大幅に縮小すると発表した。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は声明で、昨年12月当初の要請額440億ドル(6兆3400億円)に対し、今回は「超優先とされる」290億ドル(4兆1800億円)の資金拠出を要請すると述べた。
世界最大の援助国である米国は1月のドナルド・トランプ大統領の就任以来、対外援助を大幅に削減し、世界中の人道援助分野に混乱を引き起こしている。また他の主要援助国も、経済見通しの不透明さを背景に拠出を抑えている。
OCHAのトム・フレッチャー長官は声明で「われわれが求めているのは、昨年、戦争に費やされた金額のわずか1%だ。これは単なる資金要請ではなく、世界的な責任、人間としての連帯の呼びかけであり、苦境に終止符を打つための呼びかけだ」と訴えた。
国連は今年、スーダン、パレスチナ自治区ガザ地区、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、ミャンマーなどの危機に直面しながら、これまでに当初要請額440億ドルのわずか13%、56億ドル(約8000億円)しか受け取っていない。
フレッチャー氏は「われわれは人命のトリアージ(優先順位付け)を余儀なくされている」「数字は残酷で、その結果には胸が痛む。多くの人が必要な支援を受けられないだろう。だが、与えられた資源でできる限り多くの命を救っていく」と述べた。(c)AFP