仏、15歳未満のSNS禁止検討 学校刺殺事件受け
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【6月12日 AFP】フランスの中学校で14歳の男子生徒が31歳の女性職員を刺殺した事件を受け、フランス当局は、15歳未満の子どものソーシャルメディアの利用と未成年者への刃物類の販売を禁止する計画を発表した。
エマニュエル・マクロン大統領は10日夜、「15歳未満の子どものソーシャルメディアの利用を禁止することを提案する」と、X(旧ツイッター)に投稿。「ソーシャルメディアには年齢確認機能がある。やってみよう」と付け加えた。
ソーシャルメディアが児童の心身の健康に悪影響を及ぼす可能性があるという証拠が示されており、欧州連合(EU)レベルでは、ギリシャが子どものソーシャルメディア利用を制限する方法に関する提案を主導。フランスとスペインが支持している。
だが、マクロン氏は10日、数か月以内に進展がなければ、フランスは独自にソーシャルメディア利用禁止を実行すると述べた。
マクロン氏は国営テレビ、フランス2で、「待つことはできない」と述べた。
フランスでは近年、児童・生徒が同級生や教師を襲撃する事件が相次いでいる。
これを受け3月には、児童・生徒がかばんの中にナイフなどの武器を隠し持っていないかを調べるため、学校内外で警察による抜き打ちの持ち物検査を開始した。
首相府は11日、今後2週間以内に発布される政令により、未成年者への刃物類の販売を禁止すると発表した。
フランソワ・バイル首相は10日夜に民放テレビTF1で、この措置は「即時」発効すると説明。
禁止対象には「武器として使用可能なあらゆる刃物類」が含まれると述べた。
さらに、スクールカウンセラーが不足していることを認めつつ、保護者や教師は「10代の子どもがうまくいっていない兆候」に注意を払うべきだと述べた。
バイル氏は、学校への金属探知機の試験導入も呼び掛けている。
エリザベット・ボルヌ教育相はフランスのすべての学校に対し、14歳の男子生徒に殺害された31歳の女性職員を追悼するため、12日正午に1分間の黙とうをささげるよう呼び掛けた。
ボルヌ氏は10日、公共ラジオ、フランス・アンテルに対し「教育界全体、そして国民全体が衝撃を受けている」と語った。
ボルヌ氏は、安全性向上につながる策は「何でも受け入れる」と述べたが、セラミックナイフは金属探知機に反応しないと付け加えた。
また、子どもは「スマートフォンやパソコンの画面への過度な依存」から守られるべきだとも述べた。(c)AFP