【6月3日 AFP】国連のボルカー・ターク人権高等弁務官は3日、パレスチナ自治区ガザ地区の援助物資配給所周辺で民間人に対して行われた「致命的な攻撃」は「戦争犯罪に該当する」との見解を示した。

同自治区で活動する救助隊によると、南部ラファ市の援助物資配給所付近では同日、イスラエル軍の攻撃により民間人27人が死亡したという。

同所では1日にも同様の攻撃があり、31人が死亡した。目撃者の話では、犠牲者らは援助物資を受け取りに向かう途中だったとされる。

ターク氏は声明で「わずかな食料を求めて配給所を訪れる切迫した状況の民間人に対して、このような致命的な攻撃が加えられることは到底容認できない」と述べた。

「『ガザ人道財団(GHF)』が運営する援助配給所周辺では、3日連続で死者が出ている。今朝もさらに多数の死傷者が出たとの情報を受けた」とも指摘した。

米国が支援するガザ人道財団(GHF)は、イスラエルと協力してガザで新たな援助配給の仕組みを実施している新設の団体。

一方、国連は同財団について「中立・公平・独立という人道原則を満たしていない」として協力を拒否している。

ターク氏は、それぞれの攻撃に対する迅速かつ公正な調査の実施と、責任の所在を明らかにすることを求めたうえで、「民間人を標的にした攻撃は国際法の重大な違反であり、戦争犯罪に当たる」と強調。

さらに「パレスチナの人々は、飢餓で死ぬか、わずかに提供される食料を求めて命の危険を冒すかという、極めて悲惨な選択を強いられている」と訴えた。

「この援助配給の仕組みは人命を危険にさらし、国際的な基準にも反する。国連は繰り返しその懸念を警告してきた」と述べた。(c)AFP