ドイツ軍の欧州最強化計画、「大いに憂慮すべき」 ロシア外相
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【5月29日 AFP】ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は28日、ドイツ軍の「欧州最強化」計画について、20世紀に行われた2度の世界大戦を例に挙げて「大いに憂慮すべきだ」と述べた。
ドイツは第2次世界大戦以降、軍備増強に消極的で、北大西洋条約機構(NATO)加盟諸国は安全保障を主に米国に依存してきた。
ドイツは、2022年2月に全面侵攻を開始したロシアと3年以上にわたって戦い続けるウクライナにとって、最も強力な支援国の一つ。
ラブロフ氏は、ロシアの首都モスクワで開催された安全保障会議で、「前世紀にドイツが2度にわたって最強クラスの軍事大国となり、それがどれほどの困難をもたらしたかを、多くの人がすぐに思い出した」と述べた。この会議には、ロシアのウクライナ侵攻開始以来初めて、米国大使館の代表が参加した。
欧州の経済大国ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は、長らく資金不足に悩むドイツ軍に対し、「必要なあらゆる財政的手段を提供する」と表明した。
ドイツ政府は最近、5000人規模の機甲旅団をリトアニアに配備した。ロシアによるウクライナ侵攻への対応で、ドイツ軍が単独で外国に部隊を常駐させるのは、第2次世界大戦後初めて。
ロシアは、ソ連とナチス・ドイツの戦いの記憶を繰り返し利用し、ウクライナにおける特別軍事作戦への支持をあおっている。
ソ連は第2次世界大戦で民間人に数百万人の死亡者を出した。その中には、ロシア人、ベラルーシ人、ウクライナ人、中央アジア人など、多くの民族が含まれていた。
ドイツはかつてロシアと協力関係を築いていたが、2022年のウクライナ侵攻を受け、ウクライナの主要支援国となった。メルツ氏はウクライナ支援を継続すると表明している。(c)AFP