【5月29日 AFP】イスラエルは28日、国連がパレスチナ自治区ガザ地区での支援物資の配給を「阻止」しようとしていると非難した。これに対し国連は、イスラエル当局が承認した限られた支援物資を集めるために全力を尽くしていると述べた。

イスラエルが2か月にわたって封鎖を実施したガザの人道状況は深刻で、食料安全保障の専門家は、ガザ住民の5人に1人が飢餓の危機にひんしていると警告している。

イスラエルのダニー・ダノン国連大使は安全保障理事会の会合で、「国連がパニックをあおり、現実離れした宣言をする一方で、イスラエルはガザへの支援物資の搬入を着実に進めている」と主張。

支援物資は先週の封鎖解除以降、イスラエルが限定的に許可したトラックでケレム・シャローム検問所に到着しており、「米国および主要な国際パートナーと連携して構築された新たな配給メカニズム」を通じてガザに搬入していると説明した。

ダノン氏は、米国が支援する民間の援助団体である「ガザ人道財団(GHF)」に言及した。GHFは独自の配給システムを構築しているが、国連はこれを人道原則に反すると考えている。

27日、GHFの支援物資配給所で混乱が起き、47人が負傷した。

ダノン氏は、イスラム組織ハマスが配給所へのアクセスを遮断するために検問所やバリケードを設置したとして、この混乱の責任はハマスにあると主張。

さらに、国連が支援を「阻止しようとしている」と非難し、「国連は新たな人道メカニズムへの参加を選択したNGOに対し、脅迫、威嚇、報復を行っている」と付け加えた。

ダノン氏は特に、国連がガザで活動する団体をまとめたリストからこれらの団体を削除したことを非難したが、国連は否定した。

国連のステファン・ドゥジャリク事務総長報道官はAFPに対し、「現在のリストとGHF発足前のリストに違いはない」と述べた。

だが、「われわれは人道原則に反する活動には参加しない」と強調し、国連はGHFとは連携しない姿勢を改めて示した。

ドゥジャリク氏は、国連はケレム・シャローム検問所に到着する支援物資を集めるために全力を尽くしていると付け加えた。(c)AFP