【5月28日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファの新たな支援物資配給所で混乱が起き、47人前後が負傷した。イスラエル軍による発砲が主な原因とみられている。国連関係者が28日、明らかにした。

AFP記者によると、米国支援のガザ人道財団(GHF)が運営する配給所に数千人のパレスチナ人が殺到し、混乱が生じた。イスラエルは、国連を介さずに支援物資の配給システムを新たに導入している。

イスラエルは3月2日にガザ地区への支援物資の搬入を全面的に阻止し、ガザでは深刻な食料・医薬品不足が起きていた。イスラエルは、事件が起きた数日前、封鎖を部分的に緩和したばかりだった。

被占領パレスチナ地域の国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)代表を務めるアジス・ソンガイ氏はスイス・ジュネーブで、「われわれの把握している情報によると、27日の事件で47人前後が負傷した」と発表。

「負傷者の大半は発砲によるもの」で、これまでに得た情報では「イスラエル国防軍が発砲していた」とし、詳しい状況を調査・確認している段階だと強調した。

イスラエル軍は27日、「部隊が施設の外で威嚇射撃」を行い、「再び制御下に置いた」と主張した。

国連や国際支援団体は、GHFとは協力しない考えを示している。GHFをめぐっては、パレスチナ側には一切関与せず、イスラエルとだけ連携していると非難が起きている。

ソンガイ氏は、「われわれは、(GHFとイスラエルによる)こうしたやり方に多くの懸念を表明してきた」とし、「昨日の事件は、GHFが行っているような状況下で食料を配給する危険性を如実に示している」と指摘した。(c)AFP