患者299人に性的虐待、元外科医に禁錮20年求刑 仏
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【5月24日 AFP】フランス検察は23日、子どもを中心とした患者299人に対する性的虐待の罪を認めた元外科医ジョエル・ル・スクアルネック被告(74)に対し、最高刑となる禁錮20年を求刑した。
ステファン・ケレンベルジェ検事は、被告について、今回の裁判に含まれていない余罪について、追加審理が必要になる可能性が高いと述べた。
フランス史上最大級の児童性的虐待事件とされる本件の公判は、2月に始まった。被告はフランス西部の十数か所の病院で、主に15歳未満の未成年者299人に対する、レイプ罪111件と性的暴行罪189件で起訴されている。
被告は3月、299人全員に対する性的虐待を認めた。犯行は1989~2014年、患者が主に麻酔を受けている間か、麻酔から覚めつつある時に行われた。
別の児童虐待事件で有罪となり、既に服役している被告について、ケレンベルジェ検事は、加重レイプという単一の罪で、20年以下の禁錮刑を科されるべきだと述べた。
同検事は、被告は「再犯の危険性が高い」と警告し、仮釈放を認める前に、少なくとも刑期の3分の2は服役させるべきだと主張。
さらに、釈放後も治療・監視施設に収容すべきだと付け加え、被告には「深刻な人格障害と、これらの障害がもたらす危険性がある」と説明した。この特例措置はフランス法で認められているが、適用されたケースはほとんどない。
ケレンベルジェ検事は、比較的異例のものを含め、さまざまな追加措置も要求。
未成年者と働く権利を剥奪することに加えて、被告は動物性愛者でもあるため、動物の飼育も禁止すべきだと訴えた。
また、「テロの被害者」が再び被告と遭遇するのを防ぐため、ブルターニュ、ロワール、ノルマンディー、パリの各地方への滞在も禁止すべきだと付け加えた。
ケレンベルジェ検事は被告に対し、「あなたは悪魔だった。悪魔は白衣をまとっていることもある」と語った。
判決は28日に下される見込み。(c)AFP