南ア警察相、トランプ氏の「白人ジェノサイド」主張を統計で否定
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【5月24日 AFP】南アフリカのセンゾー・ムチュヌ警察相は23日、同国で「白人に対するジェノサイド(集団殺害)」は行われておらず、農場での殺人事件の犠牲者の大半が白人だとする主張は統計の歪曲(わいきょく)だと述べ、ドナルド・トランプ米大統領の主張を否定した。
ムチュヌ警察相は記者団に対し、「白人ジェノサイド陰謀論」は「全くの事実無根だ」と述べ、トランプ氏が21日に南アのシリル・ラマポーザ大統領との会談でも繰り返した、「数千人」の白人の農業従事者が殺害されているとの主張を否定。
「この国の殺人事件の歴史は常に歪曲され、偏った形で報道されてきた」「真実は、農場での殺人事件(の被害者)には常にアフリカ系の人々(黒人)が含まれており、その数は(白人)より多いということだ」と述べた。
ムチュヌ警察相は四半期ごとの犯罪統計を提示し、2025年1~3月期には農場主2人が殺害されたが、どちらも黒人だったと指摘した。
同期には、農場の居住者1人、農場の従業員2人、管理者1人も農場への襲撃で命を落としたが、白人は農場に居住していた1人だけだったと説明。
ムチュヌ警察相は「この国の犯罪率が高いことは否定しない」としつつ、犯罪は「農村部も都市部も関係なく発生している」と述べた。
2024年10~12月期には、農場の殺人事件が12件記録されたが、被害者のうち白人は農場主1人だけだったという。(c)AFP