イタリア裁判所、同性カップルの母親に「歴史的」判決
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【5月23日 AFP】イタリア憲法裁は22日、体外受精(IVF)を通じて母親となった同性カップルの女性について、生物学的な親でなくとも出生証明書に親として記載される権利を有すると判断した。
この判決は、「クリスチャンの母」を自称する極右ジョルジャ・メローニ首相が統治するイタリアで、野党から「歴史的」と称賛された。メローニ氏は日ごろから「LGBTロビー」を繰り返し非難し、カトリックが多数を占める同国において伝統的な家族の価値観を守ると主張している。
イタリアでは2016年に同性カップルの法的権利を認めるパートナーシップ制度「シビルユニオン」が合法化されたものの、同性カップルは生殖医療を受けることができなかった。また国外で子どもを妊娠し、イタリアで出産した同性カップルの母親に関する法整備がされていなかった。
この間、地方自治体の首長らは複数の裁判所の判決に後押しされる形で、生物学的な親であるか否かにかかわらず、両親を出生証明書に記載する対応を取ってきた。
これに対し、メローニ政権下の2023年、内相は代理出産によって国外で生まれた子どもたちの出生証明書の転記を停止するよう自治体に命じた。
そうした中、パートナーが死亡したり関係が破綻した場合、生物学的な親でない母親は子どもとの関係を法的に失うリスクを抱え、また、もう一方の親の許可なしには子どもを医者に連れて行けないといった日常的なストレスにも悩まされていた。(c)AFP