【5月22日 AFP】イスラエル軍は21日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ジェニンで、視察中の欧州連合(EU)や各国の外交団に「警告射撃」を行ったと発表した。これを受け、イスラエルを支持している国の間からも強い非難の声が上がっている。

イスラエル軍は、外交団は承認されたルートを外れ、制限区域に入ったと主張。「警告射撃」を行い、外交団を誘導したと説明した。負傷は出ていないとしつつ、「迷惑」をかけたことに遺憾の意を表明した。

パレスチナ自治政府は、イスラエル部隊は「意図的に」発砲したと指摘した。AFPの映像には、外交団と同行記者が、銃声を受け避難する様子が捉えられている。

あるEU外交官によると、外交団は、2023年10月にガザ紛争が勃発(ぼっぱつ)して以来、イスラエル軍がもたらした破壊状況を確認するため、現地を訪れていた。

国連のアントニオ・グテレス事務総長の報道官は記者団に対し、「職務中の外交官は発砲されたり、いかなる形であれ攻撃されたりするべきではない」とし、「国連職員を含む外交官が仮に警告射撃だったしても銃撃されたことは容認できない」と述べた。

EUのカヤ・カラス外交安全保障上級代表(外相)は、イスラエルに対し「責任を追及する」よう求めた。

また、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ポルトガル、スペイン、ウルグアイの各国は、それぞれの国に駐在しているイスラエル大使を呼び出して抗議したり、イスラエル政府に直接抗議する意向を表明したりした。

パレスチナ自治政府の通信社WAFAは、外交団には英国、中国、エジプト、フランス、ヨルダン、トルコ、ロシアなど20か国以上の代表が参加していたと報じた。(c)AFP/Mohammad Ateeq