【5月11日 AFP】インドとパキスタンは11日、停戦合意に違反したとして非難の応酬を繰り広げた。両国は前日、停戦で合意し、ドナルド・トランプ米大統領も全面戦争をぎりぎりで回避できたと発表していた。

インド側は、パキスタンによる停戦の「度重なる違反」があり、報復措置を取ったことを明らかにした。一方パキスタンも、停戦を「引き続き順守する」としながら、自国軍はインドによる違反を受け、「責任と自制心」をもって対処していると主張した。

AFPの現地記者によると、インドが実効支配するカシミール地方のスリナガルで大きな爆発音があった。パキスタン側の実効支配地の高官はAFPに対し、係争地を挟んで「断続的な銃撃戦が続いている」と語った。

トランプ氏は前日、「米国が仲介した夜を徹しての協議の後、インドとパキスタンが完全かつ即時の停戦で合意したことを発表できてうれしい。両国が常識と優れた知性を発揮したことに祝意を表する」とSNSに投稿。両国も停戦合意を発表した。

インドのビクラム・ミスリ外務次官は、「陸空海におけるすべての発砲と軍事行動を停止する」と述べた。ただその後、パキスタン側が「繰り返し違反をした」とし、インド軍は「適切かつ適切な対応をしている」と語った。

一方、パキスタン外務省は、停戦の「忠実な実施に引き続きコミットしている」としながら、「一部地域でインドが犯している違反にもかかわらず、わが軍は責任と自制心を持って状況に対処している」と述べた。

インド北部カシミール地方のパハルガム近郊で4月、武装集団が観光客に銃を乱射し、多数が死亡した。インドはパキスタン側に非があると主張しており、両国関係は悪化している。(c)AFP